初めての車椅子装着に向けて 〜愛犬と一緒に、ゆっくりと慣れていきましょう〜
初回装着時の心構え(犬も人も)
初めての車椅子は、愛犬にとっても飼い主様にとっても、新しいスタートです。
「ちゃんと使えるかな?」「怖がらないかな?」そんな不安も当然です。
でも大丈夫。ゆっくりで構いません。まずは、“楽しい経験”にすることから始めましょう。

愛犬のために
- 安心感を与えてあげましょう:車椅子を「怖いもの」にしないために、やさしく声をかけながら装着を進めていきましょう。おやつやお気に入りのおもちゃ、撫でるなどのスキンシップを使って、楽しい時間にしてあげてください。
- 無理に進めず、ペースを尊重:嫌がるそぶりがあったら、一度休憩しましょう。数時間〜翌日と、愛犬のペースに合わせてステップを踏むことが大切です。。
- 最初は「数分だけ」でOK:いきなり長時間装着させる必要はありません。1回数分、1日1〜2回程度から始めて、少しずつ慣れてもらいましょう。
飼い主様のために
- 焦らず、期待しすぎず:「すぐに歩けるようになる」は理想ですが、時間がかかることも普通です。飼い主様が初熱くなりすぎて犬も人間もくたびれてしまうことがよくあります。上手くいかなくても大丈夫。愛犬と一緒に、少しずつ進んでいければOKです。
- ポジティブな声かけ:まだ子犬だった頃を思い出して、愛犬が少しでもできたら、たくさん褒めてあげましょう。飼い主様の笑顔や声が、何よりの応援です。
- 安全第一:転倒や絡まりを防ぐため、練習は必ず安全な場所で、目を離さずに行ってください。滑りにくい床や、障害物のないスペースがおすすめです。
- 疑問や不安は相談:「うまく歩けない」「サイズが合っているか心配」など、どんな小さなことでも、お気軽にわんケアのサポートにご相談ください。私たちは、飼い主様と愛犬の心強い伴走者です。
練習のステップ(時間、環境、声かけ)
車椅子に慣れるまでの練習は、段階的に進めることが大切です。以下のステップを参考に、愛犬の様子を見ながら進めていきましょう。
ステップ1:装着に慣れる(数日かけてゆっくりと)
- 時間:1回5分〜10分程度、1日2〜3回
- 環境:静かで落ち着ける室内や、愛犬が普段リラックスしている場所が良いでしょう。
- 方法
- 愛犬が歩きたがっているタイミングを待ちます。
- 車椅子に乗せてみます。この時期限が悪くなるようならすぐにおろして、悪い印象を残さないように気をつけます。
- 車椅子に乗れたら、子犬の頃のようにしかり褒めてご褒美をあげましょう。車椅子って楽しいって教えてあげましょう。
- この段階では無理に歩かせようとせず、装着している状態に慣れることを目標とします。
- 声かけ:「すごい!」「うまいね!」「かっこいい!」など、優しくポジティブな言葉をたくさんかけてあげましょう。
ステップ2:慣れてきたら短い歩行練習
- 時間:1回10分程度(疲れないように注意)、1日に1〜2回。
- 環境:障害物がなく、滑りにくい床の室内や、普段遊んでいた場所など
- 方法:
- 好きなおやつやおもちゃで誘導し、数歩前に進むことから始めます。
- 少しでも歩けたら、すぐに褒めて休憩させましょう。
- 徐々に歩く距離を延ばしていきます。方向転換の練習も少しずつ取り入れます。
重要:練習中は常に愛犬の様子を観察し、疲れている様子が見られたらすぐに休憩させましょう。特に暑い日や寒い日は、体調管理に十分注意してください。
うまくいかないときの対処法
練習が思うように進まないこともあります。そんな時は、以下の点を試してみてください。
- Q: 全く動こうとしない、固まってしまう。
- A: 車椅子が怖い、または不快なのかもしれません。また、車椅子の調整が合っていない可能性もあります。各部がきつすぎないか、緩すぎないか再確認してください。よくわからない場合は車椅子に乗ったお写真などをお送りください。当店でも調整の確認をサポートします。
- Q: 後ろに進んでしまう。
- A: 車椅子のたかさが低いと後ろに進むことがあります。車椅子にのった状態で自然に立った姿勢になっている、また車椅子が水平になっているか確認してください。また、車椅子での歩き方を掴めていない可能性もあります。上半身をハーネスなどで少しサポートして前に進む感覚を思い出させてあげてください。
- Q: すぐに疲れてしまうようだ。
- A: 久しぶりの歩行で疲れるのは当然です。ゆっくり見守ってあげましょう。
どうしても上手くいかない場合や、愛犬の反応に不安を感じる場合は、自己流で進めずにお問い合わせください。また体調に変化を感じたらすぐに獣医の受診をしましょう。